送り出して下さった全ての皆様に感謝を込めて。 メタモルフォー代表 久保彩
ドバイから羽田までは直行便で10時間程のフライト。ドバイの様に様々な国籍の人が入り乱れている国に行くと、ダイバシティーの重要性を肌で感じる。イスラム教の国でもドバイの戒律はとてもゆるい。アルコールを飲まない、複数の奥さんがいる、女性は肌を露出しない、などのイスラムの教えに加え、インド、ジャカルタ、ネパール、エチオピア、エジプトなどな様々な国の人が生活しているため異文化と共存する事が自然にできている。自分の「当たり前」という枠組みの小ささを思い知らされる。せっかく日本でオリンピックが開催される機会に、グローバル視点でのダイバシティーを今一度、考えていきたい。
毎回海外で感じるのは、日本の温かい便座の素晴らしさ。そして設置されているシャワーの使い方。空港やホテルのトイレの中のシャワーは綺麗だが、街中の共同住宅のトイレでは、パイプから出てツボに入れた水でデリケートゾーンを洗う恐怖は想像するだけで身震いしたくなる。今回初めての経験は、水を流すレバーがプッシュ式になっていたこと。掃除がしやすくて良い。空港のトイレの注意事項表記には、缶やTシャツの絵にバツ印がついているのだが、もしかしたらここで洗濯する人もいるのだろうか?考えただけでゾッとする。世界一リッチな国にも、温かい便座はないし、お金を余分に出さなければ、ゆったりと湯につかれることはできない。あなたがトイレに入るたびに、世界一、清潔な温かさを享受していることを思い出して欲しい
世界に誇れる高層ビル郡があるドバイ。もう十分すぎるほどの数のビルがあると思うのだが、建設中のビルが山ほどあり、常にビルの建設をしているとのこと。個人的にはビルの工法等に大変興味があるので楽しめたが、ただでさえ埃っぽい街をさらに見苦しくさせている光景に違和感も感じた。古代バビロンのバベルの塔の様に神にさえ挑戦する様な高いビルは、権力と富の象徴とも言える。富も権力も得たら、人類はもっと平和にもっと幸福になるのだろか?あなたのビジネスはどうだろか?肥大するだけの組織、売り上げと利益の拡大だけを願う組織・・・そこにどんな意味を見出して仕事をしているのかは明確だろうか?忙しい日々の中で、大きくすることだけが目的になっていないか?その先のビジョンを明確にしたい。ドバイの高層ビル郡を歩きながらそう強く感じた。
ドバイでは地元女性と話すことができなかった。イスラムの衣装は体の全てを覆っているので、開かれた感じがしないし、地元女性は男性と違って、英語が話せない。 左上の写真は女性専用タクシーを運転するパキスタン女性との一枚。イスラムの戒律にのっとり結婚関係外の男女が一つの部屋にいることのない様、工夫されている。この日以外は男性タクシーの車に乗車したが、イスラム教徒の女性は少し割高でもこのタクシーを利用するとのこと。電車内の女性専用ゾーンのピンクの線から男性たちが出ないようひしめきあいつつ真剣なのが面白かった。ドバイで唯一会った日本人は香川から一人で来ているという50代の女性。親に縛られ結婚もせず香川からでれなかったとのこと。香川では一人でドバイに行くと、人に言おうものなら、すぐに噂になり、妬む人も多いとのこと。あなたは若く都会に住んでいる、チャンスを掴みなさいと励ましてくれた。人は生まれる性も環境も選べない。自分のチャンスに気がつかぬのは愚かなこと。気がついているのに、活用しないのはもっと愚かなこと。ドバイの地で女性達から教わった大切な教訓。
アラビアンフードはとても充実しておりハラル食に感動した。肉や魚が入っていなくてもオリーブオイル、ナッツ、ビーンズ、チーズで濃厚な仕立ての料理になっているものが多い。フルーツが豊富なため、どんなに安いお店でも、ジューサーできちんと絞ったジュースを出してくれる。体に良いものを取り入れることの大切さを改めて感じた。大地の恵みを味わう時に当たり前の様に「いただきます」が口をついて出てくる。この素晴らしい日本語に心を添える事を忘れていたなあと気づかされた異国の地での食事。ドバイで働く労働者のの95%は外国人との事。彼らの多くは出稼ぎに来ている。だからドバイでは圧倒的に男性が多い。妻子を母国に残している彼らは2年間働き1-3ヶ月家族のもとに帰るという働き方をしている。家族でも友人でも食卓を囲む相手がいるのはとても幸せな事。みんなで食べる食事は美味しい。当たり前の幸せを大切にしよう
宿泊ホテルロビーでは世界各国のビジネスマンをたくさん見かけた。40度近い熱さの中でもネクタイを締めている人が多かったのが印象的。室内はかなり低めの温度設定のためno problem.写真はモール内のマカロンショップにて。何も買わないと言っているのに一杯のお茶にスイーツとクロワッサンをプレゼントすると言い張って聞かず、結局お土産を買わない私にもこの笑顔。宿泊ホテルでお友達の誕生日をサプライズで祝いたいお客様と一緒になって楽しむスタッフが、目立たぬ場所に風船を飾った場面も見かけた。仕事を楽しむことが上手な人たちに大勢出会った。色々なシーンで働いている人の鼻歌が心地よかった、掃除をする人、レジを打つ人、モールで接客する人。カフェでPC作業をする人。彼らの鼻歌に肩の力が抜けた。鼻歌を歌う様に、仕事をしているか?肩肘張らずリラックスした方がよほど力が出せる。そうだ。今こそ自分の仕事を楽しもう♪
国営のエミレーツエアーラインは、噂通りそのサービスが行き届いており、快適な空の旅だった。暗くなると天井が星空になるし、アイマスク、歯ブラシ、耳栓が入っているかわいい袋をプレゼントしてくれるし、毛布を何枚借りても嫌な顔一つしないし(これはどこも一緒かな?笑)10年近く体を整えてくれる整体の先生に海外から帰って来ていつも驚かれるのは、体の状態がすごく良くなって帰ってくるから。(普通の人はガチガチになるらしい)久保さんは海外に行くとリラックスするタイプなのですね。といつも呆れられる。2時間と席に座っていない私は、いつも一番後ろに回ってストレッチをするため客室乗務員さんの邪魔をするのだが、肩を回しながら話す私の片言の英語にも彼らは笑顔で付き合ってくれる。飛行機という閉鎖された空間の中で美男美女揃いの客室乗務員さんを見ながら目の保養をしつつ彼らの接客から学ぶのも旅の醍醐味。お客様が望む最上のものを提供しているか?いつもお客様目線で考えているか?そんなことを教えてくれたEmirates airline.
ドバイはイスラムの戒律のゆるい国ではあるが、アルコールを飲むには許可が必要だし、婚外の性関係を持てば外国人でも逮捕される国。だから女性の一人旅でも怖い思いはしなかった。出稼ぎに来ている沢山の国々の人(インド、パキスタン、バングラディッシュ、フィリピン、中国、etc・・)と片言でおしゃべりしたが、最終日に出会ったのがネパールから来ているこの二人。30円で乗れる渡し船乗り場がわからなかった私を連れて20分以上歩いてくれただけでなく、カレー好きの私をネパールカレーのお店に案内してくれた。貧しい彼等は自分たちは家で食べるからと、分け合ったMOMO(餃子のようなネパール料理)3つしか口にせず私が食べるのを、ただただ笑顔で眺めていた。私が彼等にしたお礼は3千円でのクルーズ(お金持ちが乗る豪華客船ではなく、手すりもない前述の乗り合いが3千円で1時間貸し切れる)あの船よりずっとこっちの方がいいねと、みんなで笑いながら最高の時を過ごした。彼等は4人で一部屋をシェアしているため、次回ドバイに来るときは航空券だけ買えばいい。旦那も友達もみんな泊めてあげるからとのこと。無料Wi-fiがつながるエリアは限られているが、帰国した私にも全力で愛を届けてくれる。いつか日本に行った時、あなたのお世話になるから今は僕たちがあなたにできることをする。という彼等の無私の愛に触れ泣きそうになった最終日。私も誰かに愛を届けることで、彼等の愛をつなげたい。異国の地での新たな決意。
一人で海外旅行に行く、それが今年の目標だった。そして、この旅でもう一つ夢を叶えた。「人生で叶えること100」のリストに入っていた「気球に乗る」という夢。日本人は自分一人のツアーで、大勢の外国人と大騒ぎしながら、砂漠に登る朝日を見た。こんな日が来たことに誰より自分が一番驚いている。数年前まで、英語ができない。お金がない。時間がない。とないものばかり口にしていたに私なのに、こんなチャレンジができたのは、パートナーはもちろんの事、素晴らしい友達や笑顔で送り出してくれたお客様や、敬愛するスタッフのお陰。彼等への心からの感謝を胸にまた歩き出そう。今回の旅で一番強く感じた事。「全ての仕事は誰かの願いを叶えるためにある」地球上にある全ての仕事は何かを「願う」人がいてその「願いを叶える事」で報酬が得られる。どんなにつまらないと思える仕事でも、自分の持っているモノで誰かの「願いを叶えられる」のだ。この記録を読んでくださった、あなたの夢が必ず叶えられますように。そしてあなたがしている「誰かの願いを叶える仕事」を楽しむことができますように。いつか私とあなたの願いが一致する時、その時間をご一緒できたら光栄です。最後まで読んで下さり本当にありがとうございました。そしてこれからも、よろしくお願いいたします。