送り出して下さった全ての皆様に感謝を込めて。 メタモルフォー代表 久保彩
アメリカに現存する最古のお城は、100年にも満たぬ治世だったハワイ王朝のもの。玉座にキャスターがついているのを見て、アメリカという国自体が非常に歴史の浅い国であるのだと改めて感じさせられる。
進取の気性に富み、海外からの客が来るとその話に熱心に耳を傾けて情報収集していた王は、会食の際にもみんなの輪の中に入って食事をしたそうだ。玉座がテーブルの端の上座ではなく、皆の輪の中に入っていること自体、ハワイアン気質のおおらかさや新しいものを積極的に取り入れる力強さを感じた。
富裕層向けの販売のプレゼンがあるという事で向学のため参加した。マリオットホテルは、今やシェラトンもリッツカールトンも傘下に入れ、破格の勢いでホテル業界を牛耳っている。現在の社長は2代目。先代はたった9つの座席のカフェから、これだけ事業を大きくしていった。どこより先に機内食に目をつけ、訪問販売・ドライブスルーなどいつも時代を先読みして、新しいビジネスを仕掛けていった。マリオットのプレゼンも計算されつくしており、秀逸だった。完全歩合制で営業している担当者へのトレーニングが徹底していることがよく分かった。
ワイキキには山ほどホームレスがいるのに、お金の使い道に困る富裕層もまた山ほどいるのだろう。ハワイの土地は99%が州の管轄か地主のもの。1%しか市場に出ていない、その中でビーチ沿いの土地の希少価値はとても高い。その覇権争いもまた熾烈なのだろうと思った。
海外に出ると、せめて英語くらいは習得したいと心底思うのだが、そこそこの英語でも心の通ったコミュニケーションはとれるものだ。そして言語の壁を乗り越えて海外ビジネスでCHALLENGしている人たちから沢山元気をもらえる。脱サラしてカレー屋さんと、お寿司屋さんを営んでいる店主に会った。ビジョンが明確で目標に向かって必死に走っているのが伝わってくる。店舗はオープンしたばかりなので昨年は1日も休まず働いたと言うそのガッツに元気をもらう。
現地では様々なトローリーを利用した。ジョークを飛ばしながら運転する彼ら。バスの中では食事ができないので停留所に停まっているときに外で立って食事をする。自分のバスのお客さんではないし、頼まれたわけでもないのでチップをもらえるわけではなくても、休憩時間には「写真を撮ってあげようか」と観光客に声をかける。こういう人たちに接すると「自分の仕事を愛し楽しむ」ことの大切さを教えられる。
私の旅は常に地元文化に触れることが目的。現地の人が食べているもの、感じている事、その暮らしに興味津々。新たな価値観を知り、その文化を学ぶのが楽しい。食べ物でおなかを壊す国ではないので、今回も移動式販売カーで売られているものを、現地の人と一緒に食べた。一方で日常を離れ、リラックスして新たな視点で物事を見れるようになることも大事にしている。だからこそ、必要以上に出歩かない。海外からバカンスを楽しみに来ている人たちと同じように、夜は炎を眺めながらホテルでのんびり過ごし、プールサイドでひたすらマッタリした。このスタイルの旅行では日本人と会う機会がほとんどない。ショッピングモールに出ていくと大勢の日本人に出会う。お得感があるわけではないが異国の地での買い物もまた楽しいのだろうと思う。海外のお店にはおしゃれなものがいっぱいある。それでも私はかけがえのない体験に投資する自分の旅行スタイルが結構気に入っている。
みなさんご存知の通り、ハワイの料理はほとんどが糖と脂肪でできている。当然のごとく信じられないほど太っていて、巨大としかいいようもない人に大勢、出会う。一方でアサイーボールを食べて毎日ジョギングを欠かさない、ムキムキの人々にも出会う。中間層が少ない。ブヨブヨか、鍛え抜かれているか。選ぶのはどこの国でも自分自身。お刺身が恋しい笑
美しい美しいこの島では大勢の日本人が働いていて、彼らの子供たちはアメリカ兵として戦っていた。真珠湾への攻撃を指揮した山本五十六は決して戦争を望んでいたわけではなかった。それでも、この島を攻撃し大勢の米兵が命を落とした。その結果、多くの日系人が強制収容所に入れられ、日本には原爆が落とされ、人類は大きな間違いをおかした。真っ青な空と、どこまでもどこまでも青く澄んだ海。この景色が攻撃されるなどと、想像もしたくなかった気持ちがよくわかる。そしてこの美しい景色を攻撃した日本兵はどんな気持ちだったのだろう。この戦争で誰が幸せになったのだろう。今だ重油の匂いが残るこの場所に立つと知らずに涙が零れ落ちてどうにもならなかった。どこかの国の行動や主張が正しかったかどうかではなくて、戦争をしたというその事実が間違っていたことだけは明確。こんな残酷な事を、誰一人幸せにならないことを、二度と繰り返してはならない。そして平和は決して当たり前のものではなくて、それこそ命がけでみんなで守らなければ決して保てないものなのだと改めて感じた。
100名近い日本人の兵士が、この大きな魚雷のとても小さなスペースの中に、たった一人で入り人間魚雷として敵の戦艦に自ら飛び込んでいきました。亡くなった兵士は100名近くいますが、そのおよそ3分の1の兵士は訓練中に命を落としました。この戦いでのアメリカ兵の被害も甚大で多くの戦艦と共に、大勢の兵士が灰になりました。今でも引き上げきれなかった戦艦から重油が漏れており、異臭を放っています。
パイナップルは収穫し終わっても、また同じような位置に新しい実がなります。
地元のお店で、スパイスと一緒に植物が売られていて、葉っぱに巻いて食べる実なんだよ。と教わっても、面白がって買ってはいけません。危うく違法薬物すれすれの場合もあります。一度買って返しました・笑。
豪華なホテルのロビーは屋根がない事も多く、スコールで椅子も、床もびしょぬれになり危険です。それでもおおらかに大きなバスタオルを置いて「滑るぞ危険」の表示を出して普通に営業していけます。
写真は王様のベットカバーのキルトです。昔の写真をもとに、色などを長い期間をかけて分析し復元されたものです。王様のベットなのにスペルの間違ったキルトになっちゃってますが、気にすることはありません。そもそもハワイではフラダンスなどの非言語と言葉だけのコミュニケーションをとっていたので、文字に書いて残す習慣がなかったのですから。
旅にはトラブルがつきものだが、今回は夜寝ようとしたらけたたましい音でサイレンが鳴った。火事なのでエレベータを使用せず階段で非難するようにとのこと、大急ぎで皆で下まで降りて誤報だったとわかって一安心。非常階段には何階なのか記載がないから、自分がどこにいるか分からず心配しながら、皆で階段を降りた。非常時に何を持っていくのか考えたりする良い機会になった。ハワイにいくのだからもちろん海に入る気でいたのだが近年まれにみる寒さ。持って行ったダウンが大活躍した。
旅は予想外の事がたくさん起こる。だからこそ面白い。ビジネスも同じ。想定外の事は常に起こる。でも何が起こっても命さえあれば大丈夫。どんな困難も乗り越えていける。そして困難と思ったときこそチャンスがあり、その困難を学びに変えて今があるのだと改めて思える旅だった。
予想外を楽しんでいく私の旅は、これからも続きます。その旅のどこかで、このレポートを読んでくださっているあなたともご一緒できたら光栄です。予想外の旅を一緒に走ってくれている大切な人たち全てに感謝を込めて・・・これからも人生を楽しんでいきましょう。