久保
見る・知るとお話をお伺いしてきました。続いて「守る」のフェーズです。
吉川様とは弊社のあり方塾(旧:経営者塾)に参加いただいてますが、どのように取り組んでらっしゃいますか?
吉川様
組織運営のノウハウの前に、
自分がどうしたいのか、自分は一体何を大切にしてチーム運営をしていきたいのか
を明確にすることを中心にやってきたように思います。
久保
月に2回(Zoom・リアルを1回ずつ)で1年間のプログラムをあり方塾では行っていただきますが
ミッション遂行(弊社で推奨しているタスク管理表)をとても守る方ですね。
吉川様
自分が本当にやるべきことなのか、やらなくていいことなのか、
というのもその都度吟味しながら進めていきました。
あり方塾は月に2回・1回4時間で、それが私にとってはちょうどいいペースです。
日々の業務の中では実際に今やらなきゃいけないことややるべきことに流されてしまいます。
自分に向き合う時間を取ることが難しかった。
あえてその時間を確保することで、自分と向き合っていけると思います。
課題に合わせて適宜取り組むワークを変更することもあります。
職場から参加すると、どうしてもその職場の出来事があり、その日の印象が強くなりがちです。
でもだからこそできることがやっぱりあったかなと思います。
久保
ご自身で、これの方が正しいな、とか、これをやった方がいいな、と気づき始められて
家族会議で議事録みたいに記録を残されたりしたこともお聞きしましたね。
吉川様
全員で出した付箋の写真を記録に残したり、どんな発言があってどう落ち着いたなどを残していくようにしました。
久保
あり方塾で学ばられたことを社内に持って帰ったときの難しさやご家族の抵抗などはありましたか?
吉川様
あり方塾に学びに来ているというのは家族も知っていたので、
勉強している人が言うことはやっぱり違うな、とか言われると、やはり続けてきてよかったなと思いました。
ミッション遂行シートの担当者欄に、僕は責任感なのか全部自分の名前を入れちゃうんですよね。
久保
経営者の方にはよくありがちですね。皆さん全部なにもかも自分でされてしまう。
吉川様
それは誰かに振れないの?なんて言葉もいただいたり。
やらねばならないっていう思い込みなのかもしれません。
少しずつでも手放していいんだとわかってきて
他の人に任せるということの大切さも自分で気づいていきました。
久保
あり方塾は開催当日に特段リマインドもしないのですが、
「自分との約束を守る」のは大変ではありませんか?
吉川様
もちろんあり方塾の日にやらなきゃいけないことが急遽入ることはあります。
けれどもキャンセルした時、その4時間を自分でどこか一人で取れるか?っていうと、
そっちの方がかえって個人的には難しい気がします。
その時間に行くっていう方が作業もコントロールできますし、
自分にとってはその時間を確保することでとても影響がありましたね。
久保
その時間を守っていくことは本当に大事ですよね。
吉川様は本当に自分の力で組織を変えていった方なんですよね。
自分の組織に他の風を入れるのは社員や幹部からの抵抗を受けることもあります。費用や時間の拘束もあります。
本当は吉川様のように、ご自身だけが学び、学んだことを持ち帰って、
自分の力で周りを巻き込んでいくというところができるのは本当に良いスタイルです。
ただ、それができるのは本当にまじめにコツコツとやってこられたからだと私は思っています。
吉川様
人を変えることはできないので自分が変わるしかない。
なんでこうしてくれないんだろう?と人に対して思うことって誰にでもあると思います。
そう思ってしまうのは自分に原因があるのかな?どういう風にチーム運営していきたいってことなんだろう?
その自分も自分を振り返る習慣がつきました。
久保
最初お会いしたときは副園長さんでしたが、園長さんになるまでのストーリーを教えてください。
吉川様
2020年の年明けくらいに、父親(当時の園長)から
「4月から園長をやったらいいんじゃないか」と急に言われたんです。
「待ってくれ。それじゃあ準備する期間がないからあと1年待ってくれ。」
それで2021年に園長になることが決まったと。
久保
そうでした。爆弾発言があったと仰ってましたね。
吉川様
何とか1年延長してもらったものの、課題はコミュニケーションでしたよね。
期日が決まらないとやっぱり人はどうしても動けないので、ようやく自覚できたのかもしれません。
久保
最初の衝撃はあったものの、その後はあまり大騒ぎせずに取り組んでいらっしゃった感じです。
吉川様
もう何かガタガタ言ってもしょうがないから、自分がやるしかないんだって。
1年の間にできることが限りがある。
けれども不安が解消できるようにしていこうと、いろいろタスクを進めてきましたね。
久保
とりわけた時間を守る、決めたこと・自分で決めたタスクを守ることを実践していただいたフェーズだったなと思いますね。
では、次は「見知守破離」の「破る」についてお伺いいたします。